雅(みやび)の世界

雅(みやび)の世界
「雅」(みやび)は日本の伝統的な美的理念の1つです。

(日本の美的観念としては「いき」や「わび・さび」の方が普及しています。)

現代日本語では、この言葉は通常「優雅さ」、「洗練された」または「礼儀正しさ」として、時には「甘く愛する人」と解釈されます。

この言葉によって提起された理想は、馬鹿げた、または下品なものをすべて排除すること、および「最高の優美さを達成するためにすべての
荒さと虚偽を排除するためのマナー、博識さ、および感情の磨き」を要求しています。

平安時代の特徴であった美に対する敏感さを表現し、さらに、「もののあはれ」の無意識さ、物の過渡性について、ほろ苦い認識という概念とも密に関係していることが多く、そのため、衰退しているものは素晴らしいミヤビ感を示す、などと感じられていました。

一例として、桜の木などの例え、木はすぐにその花が散り、それを美しくした全てが取り除かれる儚(はかな)さに加え、その過程での雅さも見せているといったものがあります。

雅の理想を遵守することは世界最古の日本詩集「万葉集」に所収されるような、当時の芸術作品に共通していた原形や美学や感情を現世界から取り除くよう努めることでした。

万葉集には雅の感性とは対照的に、さまざまな身分の人々が詠んだ歌が掲載されていました。

たとえば、コレクションの中の1つの詩は、女性の髪の毛をカタツムリに見立てています。

みやびさの理想は、このような妙な比喩表現をあぶりだし、その鑑賞力と理想論は階級の違いの指標としても用いられました。

そして、上流階級のメンバーである廷臣だけが雅の働きを真に理解することができるとされていました。

雅の観念は実際、芸術や詩を創り出す手法を制限して素朴さ粗雑さから遠ざけさせます。

そうすることで伝統的に歌詠み訓練された廷臣らが作品に生な感情表現が露出するのを防いでいました。

後年、雅とその美学は「わび・さび」や「いき」のほか、幽玄なども禅仏教に触発された理想に置き換えられていきました。

平安時代のみやびの芸術(源氏物語)
▲平安時代のみやびの芸術(源氏物語)

平安時代のみやびの芸術(源氏物語)
▲室町時代のみやびの芸術(京都の金閣寺)


和紙に、「MIYABI」と名付けられた柄があります。それをガラスに挟むことで、新たな美観が生まれました。
和紙「MIYABI」

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和紙合わせガラス一覧
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参考文献;
雅(みやび)
https://bit.ly/3dPZmPm
いき
https://bit.ly/3gdmqJE
わび・さび
https://bit.ly/3ijKXic
もののあはれ
https://bit.ly/3gdUpSg
万葉集
https://bit.ly/38gAtLK
源氏物語
https://bit.ly/3dTrjpv
鹿苑寺(ろくおんじ)
https://bit.ly/2ZFsELV