ポリカーボネートの特徴と使用例

ポリカーボネートの特徴と使用例
ポリカーボネート(polycarbonate)は、熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックの一種で、様々な製品の材料として利用されています。

ポリカ、PCと省略され、アクリル樹脂などと共に有機ガラスとも呼ばれます。

ドイツのバイエル社が開発しました。

利点は、透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸法安定性などにおいて、高い物性を示し、耐衝撃性は一般的なガラスの250倍以上といわれます。

エンジニアリングプラスチックの中でも平均して高い物性を示す樹脂で、かつ透明性をもつために光学用途にも使用でき、その物性に比べて安価であり、航空機・自動車など輸送機器、電気・電子光学・医療機器、防弾ガラスの材料などに広く用いられています。

機械的強度も優れているので、力のかかるプラスチックねじで最も多く使われている材料です。

サンスター文具は本材料で作った筆入れ「アーム筆入れ」の頑丈さを、「象が踏んでも壊れない」というキャッチコピーのテレビCMでアピールしました。

採用契機は、開発担当者が「ニュース映画で見た『暴走族が信号機に投石しているにもかかわらず、信号機のレンズが割れなかったこと』に驚き、警察に問い合わせて材質を聞いた」ことにあったといいます。

強度についてのエピソードとして、映画『ターミネーター』でアーノルド・シュワルツェネッガーがかけていたサングラス「ガーゴイルズ・クラシック」のメーカー、ガーゴイルズ社では、同製品は散弾銃や.22程度の小口径拳銃であれば撃たれても貫通しない、
というのを謳い文句にしています。

2018年にはEye Safety Systems社のサングラス「CROSSBOW」モデルがバリスティック・アイシールドとして、アメリカ海兵隊に納入されています。

逆に、以下の欠点もあります。

△薬品耐久性は低い。特にアルカリ剤、溶剤では劣化する。
 接着剤などの使用ができない。

△高温高湿度の環境下では加水分解する。

△引張強度を超える力をかけると、白化して透明度が著しく低下する。

△表面の硬度は低く、鉛筆の硬度でHB程度。
 硬いブラシなどで掃除をすると、傷が付き、透明性が低下する。
 (この弱点を解決した加工をほどこした製品もある。)

製品使用例;
・ポリカーボネート製ボトル
ポリカーボネート製ボトル


・温室のポリカーボネートシート
温室のポリカーボネートシート

・CD/DVD/BDの表面(LDはアクリル樹脂)
CD/DVD/BDの表面(LDはアクリル樹脂)

・軍用機「F-22」のコックピットの天蓋
軍用機「F-22」のコックピットの天蓋

・実験用安全ゴーグル
実験用安全ゴーグル


「ガラスエッジプロテクターGP型」は、ポリカーボネートを 使用しているため、同シリーズの中でも透明感があります。
「ガラスエッジプロテクターGP型」

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ガラスエッジシール一覧
「ガラスエッジプロテクターGP型」

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参考文献;
バイエルホールディング株式会社
https://www.bayer.jp/

Gargoyles.Inc.(ガーゴイルズ社)
https://bit.ly/2Ie7org

Eye Safety Systems社
https://esseyepro.jp/
CROSSBOW 3LS
https://bit.ly/3nEKfP3

Wikipedia;
ポリカーボネート(polycarbonate)
https://bit.ly/33Nu75Z
塑性(そせい)
https://bit.ly/34NXtAj
加水分解
https://bit.ly/2SJsKyQ
バイエル (企業)
https://bit.ly/2Fk2pEm