団扇(うちわ)の用途の変遷

団扇(うちわ)の用途の変遷
夏の清涼には、冷房や扇風機が主流になっておりますが、手で扇(あお)いで風を起こせる「団扇」(うちわ)も根強く残っています。
「団扇」(うちわ)

一般的には扇部と、手で支持するための柄を備えますが、柄が無く、扇部の端のくりぬいた部分に指を入れて用いる穴開きうちわもあります。

絵柄や文様にも様々な種類があり、広告を入れた簡易なものはペーパーファンともいい、販促品として用いられています。

古来、うちわは木製品、鳥毛や獣毛、蒲葵(びろう)や芭蕉の葉にはじまり、もっと大型で、「あおぐ」ためより「はらう」「かざす」ためのもので、威儀、儀式、縁起、祈願、軍配、行司、信仰、占いなどに使われました。

その後、形態や材質は時代によって変化し、室町時代末、軽くて扇部がへたらない構造として、竹骨と紙を素材とする現在の形となります。

伝統的な団扇の部分名称
▲伝統的な団扇の部分名称

江戸時代に入ると、一般大衆に普及し、町民文化が花開くとともに
涼(りょう)や炊事、装いや流行、蛍や虫追いなど、さまざまな場面で
利用されました。

明治時代には、その美しい図柄のうちわは外国人にも高い評価を得て
盛んに外国に輸出されました。

『湖畔』(1897年、作画:黒田清輝)
▲『湖畔』(1897年、作画:黒田清輝)

商家の配布用としての需要も急増し、裏面に名入れ、表面には商品や様々なメッセージが織り込まれ、広告媒体としての意義を備えていきました。

印刷業界では企業・団体が販促、宣伝などを目的に配布される夏のうちわと冬のカレンダーは重要な季節商品でした。

昭和40年代以降、扇風機やクーラー、ガスや電気のコンロの普及など、生活環境の著しい変化により実用面は縮小するものの、夏場を中心に
涼をとる生活の道具、花火大会など日本の風情を楽しむおしゃれの小道具、炊事の道具、広告の媒体としての利用は今も盛んです。


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参考文献(wikipedia);
団扇(うちわ)
https://bit.ly/2OxxFke
黒田 清輝(くろだ せいき)
https://bit.ly/395VnxI