「ボックスティッシュ」と「ポケットティッシュ」

「ボックスティッシュ」と「ポケットティッシュ」
鼻をかむのに多用される「ティッシュペーパー」(tissue)は、汚れなどを拭き取ったり包んだりして捨てられる薄くて柔らかい上質な塵紙(ちりがみ)です。

世代によっては「鼻紙(はなかみ、はながみ)」とも言います。

日本では一般的に、難水溶性の特性を持っていますが、近年では水溶性の特殊な製品も出回っています。

英語の「tissue」は、古期フランス語の「織られたもの」に由来しており、英語での発音は「ティシュー」ですが、日本人の語感になじむ「ティッシュ」という呼び方が浸透しています。

英語では実生活の中で「facial tissue」と言い、代表的な商標を用いて「Kleenex(クリーネックス)」 と言われることも多いです。

英語で「tissue paper」と言うと一般に、包装やトレーシングに用いる半透明の薄い紙(薄葉紙)のことを指すため、日本人の語感で話すと誤解が生じます。

「ボックスティッシュ」と「ポケットティッシュ」
▲「ボックスティッシュ」と「ポケットティッシュ」

「ボックスティッシュ」は、一般に2枚組で、30×13×6cmほどの大きさの箱に200組400枚入っているのが標準ですが、紙の値上がりに伴い、量販店などでは120組240枚~180組360枚等に内容量を減らして一箱あたりの単価を同じにしている製品が多く見られます。

箱から1組ずつ取り出しやすくなっているのが「ボックスティッシュ」の最大の特徴です。

かつては箱上部中央に開けた穴から取り出しやすいよう中央に開きがある観音折りでしたが、近年は重ね方を工夫し、1枚引けば次の組の一部が穴から飛び出すようになっているもの(ポップアップ)が一般的です。

また、埃が箱に入るのを防ぐためとして、多くは穴に薄いビニールが貼られています。
(最近は環境に配慮し、箱部分と同様の紙を使用する製品もあります。)

また、12×7×4cm程度の小型の箱に入っているものもあり、このサイズはホテルなどの消耗品として使われることが多く、また景品や販売促進用として提供されることもあります。

「ボックスティッシュ」は残りの枚数が少なくなると取り出しにくくなるため、底部を押し上げるためのミシン目が入っている製品もあります。

また、安定性を高めるためティッシュホルダーなどの専用の箱に収めたり、磁石を利用して鉄板部分(冷蔵庫や事務机など)にくっつける器具を使用することも増えています。

ボックスティッシュカバーに収められた「ボックスティッシュ」
▲ボックスティッシュカバーに収められた「ボックスティッシュ」

「ポケットティッシュ」は携帯用のもので、小さなビニール袋の中に10枚程度のティッシュが入っています。

1968年、高知県の製紙加工会社が考案し、それまでに宣伝用に配られていたマッチに代わり誕生したとされます。

日本中に広まったきっかけとして、1970年に富士銀行(現・みずほ銀行)が口座開設の粗品として20万個配布したことを挙げる説があります。

キオスクなどで販売されるものもありますが、ゲリラ・マーケティングの一種として、街頭や店頭等で販売促進の「ティッシュ配り」で配布されることも多いです。

広告のために「ポケットティッシュ」を配布する行為は、日本ではごく一般的な光景ですが、海外ではほとんど見られないそうです。

ハンカチと共に子供に持たせて通園・通学させている地域や家庭もありますが、一般的な「ポケットティッシュ」は摩擦の関係でビニールの包みが滑り、衣服のポケットから落ちやすいので、その打開策として布製のケースに入れ替える方法を取っている場合もあります。

「ポケットティッシュ」には水洗トイレで使用できる水に溶けやすい製品もあります。



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参考文献;
ティッシュペーパー(wikipedia)
https://bit.ly/2LcfX4o
ナリナリドットコム(2005/12/16)
「ティッシュの街頭配布はアメリカで受け入れられるか」
https://bit.ly/3dvhxdM
紙についての豆知識(ハヤシ商事株式会社)
https://bit.ly/35HR21L