2040年、ディスプレイの進化とともに考える未来の暮らし

2040年、ディスプレイの進化とともに考える未来の暮らし
「ガラス」は古くからさまざまな用途で使われてきました。

そのひとつが、窓です。

かつて室内と室外を分けるためのツールだったガラスは、
テクノロジーの進化とともに、情報を映し出すディスプレイとして
不可欠な存在となり、現実と“情報世界”をつなぐ役割を支えてきました。

2040年の世界で、私たちはどのようにガラスを利用し、
どのような暮らしをしているのでしょうか。

■ ガラスは限りなくリアルに近い「どこでもドア」
ガラスは情報を映し出すディスプレイに
(窓、鏡、テーブルなど、家の中のさまざまなものが
 情報を映し出すディスプレイに)

ガラスは紀元前数千年、古代エジプト時代から宝飾品に
使用されていたとされています。

5世紀ごろには窓用の板ガラスが作られ始め、
ほどなく教会のステンドグラスに使われるようになったといいます。

神の教えを表現したステンドグラスは、
いわばこの世と天国をつなぐ役割を果たしていました。

現在、ガラスが現実と“情報世界”をつなぐ窓、
ディスプレイとして使われることは、初めから定められていたのかもしれません。

もともと、限られた人だけが使う高級品だったガラスが、
いまや汎用品となり、私たちの生活の中に溶け込んでいます。

この先の2040年を想像したとき、自宅の窓は
そのまま情報世界へと導くディスプレイになります。

必要なときにはニュースを表示、ふだんは通常の窓として外の景色が見え、
切り替えはごく簡単に、自由自在にでるようになります。

今よりもさらに高精細で立体的、肉眼で見たときに近い感覚で
映像を表示できるので、たとえばハワイの景色をリアルに
あたかもそこにいるかのように映し出すことも可能になります。

そうなると窓は物理的に内と外を区切るものではなく、
限りなくリアルに近い『どこでもドア』のようなものになるかもしれません。

また、壁をディスプレイ化することで今いるところと
別の場所を立体的につなげることが可能になります。

ディスプレイは窓の他、鏡やテーブル、家電、あらゆるものが
ディスプレイになり、その日のスケジュールを表示させるなど
スマホやパソコンのデータと連動できます。

さらに、ガラステーブルにIH調理器を埋め込み、
ディスプレイを兼用するダイニングデーブルが置かれるなど
空間の活用方法が変わります。

■ 窓を通した世界がもっとリアルに
遠く離れた者同士で商談ができる自由な未来
(オフィスの自席以外で働ける、遠く離れた者同士で商談ができる自由な未来)

仕事の場においては、すでにパソコンやスマホなど“窓を通しての
「コミュニケーション」が当たり前となっていますが、
2040年には、さらにその傾向が加速し、窓を通した世界がもっと
リアルに感じられるようになるでしょう。

離れた場所にいる人たちとミーティングすることも
さらに違和感がなくなるはずです。

映像が精細になるほか、デバイスの使い勝手が進化し、障壁が低くなるためです。

部屋の窓にしてもディスプレイにしても少し距離をとって
眺めるイメージがありますが、最も近くにある窓は眼鏡です。

眼鏡は掛けることで世界の見え方が変わる、元祖ARグラスと言えます。

現状ではパソコン、スマホ、ARグラスと別々のものになっていますが、
2040年にはガラスの屈折率の補正やディスプレイからの光線方向の制御が
リアルタイムでできるようになり、一つのデバイスですべてを兼ねるようになるでしょう。

例えば、手で持ったときはスマホの画面、
そのままそれを目に当てればARグラスになり大画面が広がります。

ふだん眼鏡をかけている人は、眼鏡がなくてもはっきり見えるように、
ARグラスのほうが個人に合わせてピントを自動で合わせてくれるようになります。

■ 時代とともに変わっていくガラス
時代とともに変わっていくガラス
(100年前に初めて国産ガラスが作られてから、
ブラウン管、液晶テレビ、スマホへとその用途は変化してきました。)

このような未来を形作るガラス。

日本で初めての板ガラスの工業生産が行われたのは、
明治42(1909)年に遡ります。

三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の甥である岩崎俊弥がイギリス留学から帰国後、
1907年に旭硝子(現・AGC)を設立し、板ガラスの生産に着手しました。

その後、ガラスの用途は、鏡や建築、自動車、そしてブラウン管テレビなど、
汎用品から最新ガジェットまでさまざまな領域へと広がっていきました。

その過程でガラスは求められる機能に応じて
組成・薄さ・形状を変えて進化をしてきました。

現在私たちが、日々利用しているパソコンや大型テレビ、スマホにも
それらテクノロジーに適応したさまざまなガラスが使われています。

ここに使われているガラスは窓や食器等、
普段目にするガラスとは全く異なり、高い機能性が求められます。

例えばスマホ一つとっても、液晶ディスプレイとして機能を支える厚さが
1mmにも満たないガラス、スマホを保護するための薄くても割れにくいガラス、
写真の色味を鮮やかに補正するガラスなど、複数のガラスが採用されています。

時代の流れとニーズ、用途に合わせてさまざまなガラスを開発してきた
AGCの技術はさらに進化をし続けています。

■ ガラスは私たちの暮らしに不可欠な材料
ガラスは私たちの暮らしに不可欠な材料
(創業以来、ニーズを先取りして技術開発を進めてきたAGC)

ARグラス向けガラスは、平坦かつ滑らかな表面に、
高い屈折率と透過率の特性を付加した、これまでにないガラスです。

これらの特性を両立することが技術的に難しいといいます。

2019年2月にACGから発売されたARグラス向けの高屈折率ガラス基板は、
通常のガラスよりも視野角を大きく広げることができます。

こうすることで、より広い視野で映像を映し出し、
臨場感のあるAR体験を可能にします。

ただし、高屈折率ガラス基板はガラスとしての安定性が低いため、
非常に製造が難しく、うまく成形しないと異物が発生して
透過率が下がってしまいます。

また、高透過率、高平坦・平滑性は映像を鮮明に見せるために求められ、
その実現のためにはAGCが保有する高度なガラス成形・加工技術が
必要だといいます。

AGCは、どの原料をどう配合してどう製造すればどんな特性のガラスができるか、
膨大な経験とデータを蓄積しているので、お客様が求める材料を
タイムリーに提案することができます。

50年前に開発された技術が今になって花開くこともあります。

技術者がさまざまな製品の開発に触れ、
どれだけ多くの技術の引き出しを持っているかがカギとなっています。

窓やディスプレイなど、私たちの暮らしに不可欠なガラスは、
進化すればするほど、その存在を意識させなくなります。

今、私たちの指先が触れているガラスは、
研究者の方々の熱い思いと高度な技術の結晶です。

↓ 7年半前に公開された癒し動画「ガラスが支える一日」
 特殊ガラスの未来は、もうすぐそこまで来ています。
(注意:音が出ます)


2作目:さらに広がるビジョン

解説


↓弊社の「ミラーサイネージ」も進化し続けます。
https://www.mirado.jp/


ステンドグラス(商品一覧)
https://bit.ly/2vajMit
ステンドグラス

お気軽にお問合せください。

参考文献;
ビジネス・インサイダー(2019/3/28)
「2040年、テクノロジーで世界はこう変わる
 ── ディスプレイの進化とともに考える未来の暮らし」
https://bit.ly/2GvEXSw

AGC株式会社
https://www.agc.com/
東京大学先端科学技術研究センター
https://bit.ly/2XqwvcY

映像:コーニングジャパンン株式会社
https://bit.ly/2V8oHPv

Wikipedia;
ステンドグラス
https://bit.ly/1JLOknu
AR(Augmented Reality:拡張現実)
https://bit.ly/1T1bAWt